肺炎球菌ワクチンについて

2017年08月29日

肺炎球菌について

高齢化の進行に伴い、肺炎は悪性疾患、心疾患に次いで日本人の死因の第3位に上昇しました。
高齢化になると肺炎にかかりやすく重症化しやすくなり、
死亡者の95%以上を65歳以上の高齢者が占めています。
肺炎の30~40%は肺炎球菌が原因で、最も頻度が高い上に重症化しやすく、
最近では抗生剤が効きにくい菌が増えています。
肺炎球菌は、実はのどや鼻の奥に存在する常在菌であり、
とても身近な菌でもあります。
しかし、体力や抵抗力が落ちることで菌が活動し始めると肺炎だけでなく
敗血症や髄膜炎などの重い病気を引き起こすこともあります。

 

肺炎球菌ワクチン

成人の肺炎球菌ワクチンは現在2種類のワクチンがあります。

・ ニューモバックス(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)
・ プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)

ニューモバックスは、2014年10月より65歳以上の高齢者を対象とし、定期接種にもなっているワクチンで、
プレベナー13は、2014年6月より65歳以上の高齢者にも任意での接種が認められたワクチンです。

肺炎球菌には約90種類もの型があり、ニューモバックスはその中でも感染する機会の多い23種類に免疫をつけることが出来、
全肺炎球菌に対するワクチンカバー率は65%程度です。
プレベナー13は、肺炎球菌の45%程度に対して有効とされていて、
ニューモバックスと違い免疫記憶が確立されるので、再接種の必要はありません。

肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎の発症を予防し、重症化を抑制することが期待できます。
65歳以上の高齢者と65歳未満の慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの疾患を持っている人が接種対象者です。

 

ニューモバックスとプレベナー13の併用について

ニューモバックスとプレベナーを併用するメリットとして、
両方のワクチンに共通している血清型の抗体の効果が高まるブースター効果が認められ、
より高い予防効果が期待されます。
日本呼吸器学会や日本感染症学会でも併用することを推奨しております。

特に慢性呼吸器疾患や慢性心疾患、糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方は是非、併用することをお勧めします。

 


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大田区 武蔵新田 肺炎球菌ワクチン ニューモバックス プレベナー13
広浜内科クリニック
院長 広浜 浩司